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ESKAMiu 発表
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報道関係各位
1999年6月9日
三菱レイヨン株式会社
デジタルホームネットワーク向けIEEE1394 S400 対応
POF(プラスチック光ファイバ)
「Eska-Miu(エスカミウ)」発売について

 三菱レイヨン株式会社は、次世代デジタルホームネットワーク(以下ホームネットワーク)のインフラストラクチャー形成に向けて広帯域プラスチック光ファイバー「Eska-Miu(エスカミウ)」の販売をを開始致します。この「Eska-Miu」は、次世代のホームネットワーク(注1)の伝送方式として有望視されているIEEE1394(注2)のS400(400Mbps)規格に対応する高速プラスチック光ファイバー(POF 注3)です。
 ホームネットワークは、21世紀初頭に立ち上がる巨大マーケットとして期待されおり、現在、国内外のPC・家電・通信・エレクトロニクス・住宅・建設及びそれらの関連諸団体において極めて活発な論議がされております。当社は、ホームネットワーク伝送用メディアとして最も有望視されているPOFの世界シェアを7割以上を持っており、多くの関係者より高速伝送用メディアの提案を期待されておりました。この期待に応えるべく、業界各社のご協力を頂き、ここにホームネットワーク用POF、「Eska-Miu」を発売・提案するものです。

1.「Eska-Miu」開発に至る経緯

 三菱レイヨン株式会社は、車載ネットワーク、ホームネットワーク等の普及を目的に、次世代マルチメディアに必要な大容量データ伝送、汎用性、低価格を実現するインターフェイスとして今最も注目されているIEEE1394について、積極的に推進して参りました。このインターフェイスは、従来はメタルケーブルを伝送メディアとする到達長4.5mの仕様が標準化されておりました。一方、1997年、当社は標準化に参加されている家電メーカー・PCメーカー・通信機メーカーと協力し、IEEEの技術審議委員会に対し、新たなIEEE1394用伝送メディアとして、POFを用いた技術仕様の提案を開始致しました。この提案は、ホームネットワーク実現の必須条件とされる、到達長50m以上をサポートすることで、PC、家電はもとより、FA機器、車載機器のインターフェイス、更にはそれらを統合し、真のマルチメディアホームネットワークを実現することを目的とするものです。
 この提案仕様は、具体的には、IEEE1394仕様における3段階の伝送速度カテゴリー、S100(100Mbps)、S200 (200Mbps)、S400(400Mbps)のうち、S400をのぞくS100、S200のみをサポートしております。実際の標準化作業においては、当社製品の「エスカメガ」(注4)と、半導体メーカーが当時開発中であった光送受信モジュール(注5)の仕様をたたき台に作成され、現在、IEEE1394の技術審議委員会のひとつ、p1394.b(注6)の草案に昨年盛り込まれ、まもなく採択の見通しです。この仕様は、ホームネットワーク末端とみなされる、家電インターフェイス等に広く利用されることが期待されています。

2.「Eska-Miu」の発売・提案

 今回発売・提案する「Eska-Miu」は、従来、標準化と製品化が推進されてきたIEEE1394 S100、S200用伝送メディアに加え、現在のところまで欠けていた、さらに高速のIEEE1394 S400 仕様に適合する伝送メディアとして新規に提案する製品です。本製品は、より高速なデータ伝送が必要とされるホームネットワークバックボーン (注7)用として販売・提案するものです。S400、到達長50m仕様を満たすべく製品化された本メディアにより、真のネットワークとしてのp1394.bのPOF技術全体が、欠けるところなくカバーされることとなります。従って「Eska-Miu」は、先に標準化提案し既に市販されているS100、S200の到達長50m対応の「エスカメガ」環境との互換性を維持しつつ、S400用光伝送メディアに必要な500MHz以上、到達長50m の伝送帯域を確保する仕様としました。
 このようにこのファイバーは、POFのトップメーカーである当社が、IEEE1394 S100からS400まで家庭における伝送メディアを完成させるべく、市場の大きな期待を背負って1997年より本格的に開発着手しました。そして「Eska-Miu」の仕様は、試作段階で光送受信デバイスを開発している複数の大手半導体メーカーにサンプルを配布し、相互に最適化を図った結果、最終決定されました。
 特に、「エスカメガ」や従来型POFとの継承性を意識し、すでに発売がはじまっているIEEE1394 S100(100Mbps)、S200(200Mbps)仕様の光送受信モジュールとS400仕様の光送受信モジュールとの混在、「エスカメガ」と「Eska-Miu」混在環境といった現実的マーケットを考慮に入れて、設計いたしました。
 その結果、POF素線の外径を750μm、コア(光のとおる部分)領域の直径を約700μmとすることとし、上記環境はもちろん、大口径ファイバとしてのPOFの最大長所である容易な加工性を維持し、かつ今後もLED(注8)等の使用による安価な光送受信デバイス開発も可能にすることができます。 また、ホームネットワークという民生マーケットの特性を考慮した結果、当社独自の疑似GI(グレーディット インデックス)構造を採用することで、500MHzという広帯域でありながらPOFの使命である低価格を可能にしています。
 なお、今回発売する「Eska-Miu」の発売により、5月25日に発表された日本電気株式会社の物理層LSI、μPD72880、及び昨年12月に発表され、現在開発が進められている松下電器産業株式会社の「Eska-Miu」用S400光送受信デバイスにより、POFによるS400の環境が整うこととなります。すでに整っているS200以下の環境を含め、具体的ホームネットワークの実現に向け大きく前進するものと確信しております。さらに、家電等への普及が進むIEEE S100 S200の光化の促進にも、いっそう弾みがつくものと期待されます。

 三菱レイヨン株式会社は、今後もPOFトップメーカーとしての責務を果たすべく、ホームネットワーク実現に向けて、様々な製品を提供していく所存です。
Eska-Miuの仕様
Eska-Miu
ESKAMEGA
ESKA Premier
仕様概要
IEEE1394.b s400対応
IEEE1394.b仕様準拠
ATM Forum仕様準拠
工業用汎用POF
ファイバの構造
疑似タイプ
SIタイプ
SIタイプ
ファイバNA
0.25
0.3
0.5
帯域
(/50m)
500MHz
230MHz
40MHz
伝送損失
(/km)
160dB
160dB
150dB
対応マーケット IEEE1394 S400以下
ホームネットワーク
家電インターフェイス
IEEE1394 S200以下
ATM 156M以下
100Base イーサーネット
家電インターフェイス
車載ネットワーク
FA機器間・機器内
一般インターフェイス用
生産の状況新製品量産中量産中

注1 デジタルホームネットワーク:
家電、PC(パーソナルコンピュータ)などの家庭内の情報機器を相互につなぎネットワークすることで、家庭内及び家庭外との情報の共有、交換などを容易にする、次世代のマルチメディア(添付図参照)。家電とPCの本格的融合をもたらし、Fiber to the Homeもこれを実現する一手段である。21世紀初頭にできる巨大マーケットと予測されており、多くの国、産業を巻き込んで、活発な発表・提案が続いている。日本では現在郵政省・NTT他多くの官公庁・諸団体・企業で検討がすすめられている。

注2 IEEE1394:
IEEE( Institute of Electric and Electronic Engineers=米国電気電子技術者協会)の標準化規格のひとつ。テレビなどの家電、PCなどを相互に接続する次世代型ディジタルインターフェース。高速、アイソクロナスモードの具備、プラグアンドプレー機能など、家電にもPCにも適合性のよい様々な特徴を持つため、マルチメディアネットワークインターフェースの最有力候補として大きな期待が寄せられている。ファイヤーワイヤー・i-リンク等の名でも呼ばれている。

注3 プラスチック光ファイバ(POF: Plastic Optical Fiber):
光が伝搬するコア部がプラスチックで出来た光ファイバ。PMMA(通称 アクリル)を主材料とするため安価であり、大口径で取り扱い性に優れるのが特徴の光メディア。当社は1976年、日本ではじめてPOFを事業化した。現在の当社の世界シェアは70%台と推定される。

注4 エスカメガ(ESKAMEGA):
三菱レイヨン(株)製 POF(プラスチック光ファイバ)の登録商標名。1995年5月に発売された世界初の広帯域POFで、現在量産されているPOFの中で、最大容量を持つ。民生・端末機器の高速インターフェイスを可能にしたメディアで、国際的なホームネットワーク論議のきっかけを作った。通信分野における権威ある団体 ATM Forumにおいても、1997年、標準化採用されている。

注5 光送受信モジュール
 光と電気を相互に変換するデバイス。POF用は送信素子、受信素子のいずれか、または両方がコネクタの中に挿入されている。

注6 p1394.b:
IEEE1394規格の技術審議委員会の一つ。1995年、IEEE1394/1995規格が最初に発行 された後、さらなる高速化、長距離化などの1394高性能化技術を審議する団体。

注7 ホームネットワークバックボーン
ホームネットワークの幹線に相当する部分。各末端の情報の流れが集中するため、より、大きな伝送容量が必要とされる。

注8  LED
発光ダイオード。表示用と伝送用があり、最近では、可視光から赤外まで様々な色が発売されている。表示用は家電のインジケーター等、伝送用としては、赤外線リモコンなどが代表的な使い方である。
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